ファウストの日記

心理学を利用して苦しみを抜け出し、自分を変えることをサポートします

嫌なことがあった、逃げよう・・・

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私たちは嫌なものは避ける傾向にあります。
誰だって嫌なものより気持ちいいもの、ワクワクするものを望みます。
当たり前のことです。

しかし、いくら気持ちいいことを望んでも、嫌なものは自分の意思とは関係なくやってきます。
老い、病、死、別れ、叶わないことなどは人生のそこら中にあります。
それに伴う苦しみも決してなくなることはありません。

これらを含めて全て人生なのですし、生きることの代償でもあるのです。

こうした嫌なものから避けることによって、人生で出会いやいろんな機会を失ったり、お金や労力を使ったり、対人関係に制限を加えたりし出すと問題を作り出してしまうことが多いのです。

つまり、回避、逃避することが人生や生活に制限を与え、硬直化させてしまうならば、改善が必要となります。


回避や逃避をすると何が起きるでしょうか。

たとえば、ゴキブリが嫌いな人にとってのゴキブリ。

寝ているとあなたの部屋に現れました。
あなたは心臓が縮み上がる思いがします。
殺虫剤は別の部屋。
今、あなたにできることは二つしかありません。
ここでゴキブリと格闘して退治するか、逃げ出すか、です。

しかし、あなたには退治する勇気がありません。
できることはこの部屋から逃げ出すこと、できれば家族という援軍を呼んできて退治してもらうことです。

あなたの目はずっとゴキブリを見ています。
少しでも目を離すと見失うからです。
見失うともっと怖くなります。
どこにいるか分からなくなるからです。
怖いからと言って目を閉じるともっと怖くなります。

あなたはゴキブリをじっと見据えたまま、そろりそろりと部屋を出て、慌ててドアを閉めます。


さて、あなたは次に部屋に入る時、不安は収まっていますか、それとももっと不安になっていますか。

とても不安になっていることは間違いないでしょう。


回避、逃避する、ということは一時的にホッとしますが、次からは同じ状況になるともっと不安になり、その状況を避けてしまいます。

もちろん、ゴキブリがあなたの人生や生活にはそんな制限を与えることはありません。
しかし、そのゴキブリが、

人前で話す機会
嫌だとあなたが評価している人と会う機会
不快な感情
やりたくないこと


であったらどうでしょうか。

確実に対人関係や対社会関係に行き詰まるでしょう。
結果、苦しみが増すでしょう。


こんな人がいました。

長年付き合ってきた元彼と大喧嘩して別れました。
別れた途端、元彼とのあらゆる思い出を否定的に評価し、元彼が悪いんだと思うことにしました。
そうすると自分が少しだけ楽になるからです。
つらさがややマシになるからです。

しばらくして新しい彼氏ができました。
新しい彼氏はあなたをデートに誘います。
ところが着てゆく服はどれもこれも元彼を思い出させます。
ですから、服を全部捨ててしまって、たくさんのお金を使って新しい服を揃えました。
デートの行き先も、元彼を思い起こさせるあらゆる店、場所、道を避けるようにしました。
なぜなら、思い起こすと苦しくなるからです。
ちょっとした言い合いになっても元彼を思い出してしまって嫌な気分になります。

遂には

「男の人はみんなこうなんだ」

と男性全体との関係に制限を加えてしまいます。
全く人生を豊かにせず、活力も与えない思考を信じるのです。


私たちは多かれ少なかれ同じようなことをしています。
嫌だと評価したものを避けると、次からはそれに類似したものすら避けるようになります。
それに直面することがもっと怖くなります。

皆さんはお気づきのことと思いますが、この人は


事実と思考が同一化してしまっています。
そして、事実そのものを避けようとしています。


服や道や場所や彼氏の動作はこの人とは関係なく存在します。
これらは「事実」と呼ばれるものです。

ところが、この人は服や道や場所や彼氏の動作という「事実」を元彼の思い出と結びつけています。
服は服、道は道、場所は場所に過ぎないのに、評価と結びつくと服などがそもそも「嫌なもの」と思い込むのです。

「自分が嫌だと評価」した「服」があるにしか過ぎないのに、「服そのものに不快がある」と信じるのです。

そうすると、服を避けるのです。
回避、逃避をするのです。

同じことは「道」「場所」「彼氏の動作」についても言えます。


このように評価と事実が固く結びつき、自分の思考が勝手に評価したものを事実だと思うのです。
これは私たち人間の習性です。

しかし、評価と事実の区別がつかず、評価の言うままに行動し、それが苦しいものであるなら、それが人生を豊かに活気あるものにしないなら、次のことに気づく必要があるかもしれません。


私が今見ているものは、事実か評価か
そして、もしそんな思考(思い出や評価など)が思い浮かばなかったとしたら、見ているものはどう見えるだろうか


恐ろしいことがあります。

あまりにも思考と事実を同一化して、それすら気づかなくなると、慢性的に苦しみを抱えることになるのみならず、苦しみに対して不感症となるのです。
人生が硬直化し、制限があることすら分からなくなります。
現実を受け入れて、しっかりと向き合っている、とさえ言ってのけて自分を騙すことすらします。

ひきこもりの人がさまざまな不安や恐怖を忘れるために、ゲームやお酒、薬に逃避したり、家族への暴力で気持ちを解消するうちに、それが当たり前になるのです。
未来のことも、今のことも考えず、ひきこもりそのものが当たり前の人生になるのです。
回避、逃避に没頭している間、苦しみがないんだ、と言っているようなものです。

いくら回避、逃避しても、望まないことは相手の方からひょっこりとやってきます。

  • 評価と事実は全く別であること
  • 評価は自分の頭にしかないこと
  • 私たちは事実を見ているようで、実際は評価しか見ていないこと
  • 事実そのものは避ける対象ではないこと
  • 評価の発生も内容もコントロールできないこと
  • 評価を信じてもいいし、信じなくてもいい、ただそれだけのものであること
  • 評価をそのまま持ちながら、行動をコントロールできること
  • 評価は実は何の害もないこと(思うことは自由)



これらを念頭に置いて生きてゆくとまた違った行動ができるはずです。

思うこと、感じることは自由です。
そして、どんな思いや感情が頭の中にあったとしても、それらと戦わず、回避せず、そのままにして歩むことはできます。

さまざまな苦しみは頭の中の解釈から発生する、頭の中だけのものです。
私たちは、これらを全てそのまま持ちながら、人生でやってみたい方向に行動することが、結果的に人生をより豊かに、活き活きとしたものにするからです。



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