ひとりで腹が立っている
あなたが雨の中、傘をさして歩いているとき、車が猛スピードで駆け抜けて行き、跳ねた水がかかりました。
あなたはずぶ濡れになりました。
あなたはきっと腹が立つでしょう。
では、その車には瀕死の急病人が乗っていて、家族が祈る思いで病院へ車を飛ばしていたと知ったなら、それでも腹が立つでしょうか。
ここでよく考えて欲しいのです。
雨の中、勢いよく通り過ぎる車が跳ねた水をあなたが被ってずぶ濡れになったという事実は何も変わっていません。
違うのはあなたが「瀕死の病人が乗っていた」ということを知ったただけなのです。
次にこんな例はどうでしょうか。
あなたには親友のAさんとBがいました。
とても仲がいいのです。
あるとき、Bさんがあなたにこう言うのです。
「信じられないかも知れないけれど、Aさんは影であなたの悪口を言っている。みんなそれを知っているし陰口を聞いた人はそれを信じてしまっている」
さあ、あなたの頭には何が思い浮かぶでしょうか。
裏切られたという思い
Aさん、またはそれを伝えたBさんに対する怒りの気持ち
Aさんに問いただそうという気持ち
いろいろな思考や感情が出てきます。
さて、Bさんからの言葉を聞く前と聞いた後では何か事実が変わったのでしょうか。
仮にAさんが陰口を言っていたとしても、それはあなたが知ろうが知るまいが、陰口を言っているという事実には変わりないことです。
陰口を言っていなかったとしても同じことです。
すでにお気づきだと思います。
最初の話も、次の話も事実は何も変わっていません。
ただ、あなたが事情を知ったか知らなかったか、ということだけです。
あなたが事情を知ろうが知るまいが、事実は変わりありません。
あなたが知ることによって、事実が変わることはあり得ません。
事実はあなたと独立して存在します。
知ることによって事実に対する解釈が変わっただけなのです。
しかし、私たちは
「知ることによって事実が変わった」
といとも簡単に思いがちなのです。
これは、事実と事実に対する解釈を同一に捉えてしまうことにより引き起こされてしまいます。
事実に対する解釈とは、私たちの思考なのです。
つまり、思考と事実を同一のものと捉えてしまうのです。
自分が考えていることが事実なんだ、と。
こうなると、生活や人生はとても苦しいものとなりがちです。
思考は、その内容も発生もコントロールできないものだからです。
そう、自然発生的に思い浮かぶ思考に、私たちの生活や人生がコントロールされてしまうのです。
私たちが思い悩んでいるときのことを思い出してください。
その時、頭の中の記憶やイメージに対して「ああでもない、こうでもない」と苦しんでいませんか。
目の前には、何もないというのに。
頭の中に思い浮かぶさまざまな記憶や評価や判断を、あたかも事実を補強する証拠であるかのように付け足し、単なる思考にすぎないものを、ますます事実であると頑なに信じてしまいます。
電車の中で足を踏まれ、相手が謝らずに立ち去った後に、むかむかとしませんか。
しかし、あなたがむかむかとしている時、相手はもういないのです。
私たちは、何に対して怒っているのでしょう。
足を踏まれたこと、謝らなかった相手に対するさまざまな思い、相手の態度の悪さというすでに終わったイメージと記憶を思い起こしては、それに対して腹立てているのです。
イメージをし、記憶を思い起こしてはそれに腹立てているのです。
全て頭の中の出来事なのです。
記憶を反芻しながら、幻想の中で自ら怒っているだけなのです。
- 事実とは、本人が認識しようがしまいが存在する物や出来事です。それは他人からも観察可能で、本来は意味がないものです。
- 幻想とは、脳内に発生する思考や感情、記憶、イメージ、評価、判断などで本人しか分からないものです。それは他人からは観察できず、さまざまな意味を持っています。
事実に対する解釈である思考を事実と信じることは、幻想を事実と信じることであり、次のような特徴があります。
■ 何かしようとするとそれをしない理由を考え出し、その理由も古く慣れ親しんだもので、活気がない
■ あなたは、思考の中に沈み込んでいて、しばらくの間、外の世界が消えてしまう
■ 思考を守るべき命令と捉えてしまう
■ 比較や評価をして、それにこだわる(特に「正しい・間違い」などの評価にこだわる)
■ あなたは、心や頭の中でどこか別の場所や時間の中にいる
■ あなたの思考は、余裕がなく混乱している
どうですか、心当たりがあるでしょうか。
さて、一つ目のたとえ話では、
『雨の中、車が跳ねた水をかぶってびしょびしょになった』
が事実です。
事実はただそれだけです。
二つ目のたとえ話では、
『BさんからAさんが陰口を言っているという話を聞いた』
が事実です。
事実はただそれだけです。
事実からは直接、腹立ちは出てきません。
腹立ちが出てくるのは、これらの事実を解釈することによってです。
解釈の過程で人の心を推測したり、白黒評価をしたり
karapaia.livedoor.biz
という幻想の世界に迷い込み、幻想を事実だと勘違いするからです。
「じゃあ、襲われたりしても、そのままに腹立たずにいろと言うのか」と必ず言う人がいます。
そうなれば、身を守るために戦うか逃げるかしかできません。
私たちの苦しみは幻想からしか出てきません。
私たちが苦しんでいる時、事実の解釈によって苦しめられているにすぎないことに気づくことは、とても大切です。
苦しみが自作自演であることを知るのです。
それに気づくことができると、不必要な苦しみに巻き込まれることが少なくなるからです。
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